「アートで起業」私は人生かけて“実験”してみた。

「アートは稼げない」
「アートにニーズなんてない」

アート事業を始める前、私は何度もこう言われました。
しかも、そう言っていたのは、アートの現場を知らない人たちばかり。

でも、私は思ったんです。
「そんなの、やってみなきゃ分からないでしょ!」

だから、アート事業で会社をつくることにしました。
人生をかけて、自分の手で“実験”してみようと決めたんです。

アートで会社をつくる前は、陶芸家として15年間活動していました。
その中でも、私は「釉薬(ゆうやく)」の研究に特に熱中していたタイプです。

釉薬とは、土の器にかけて焼くと、ガラスのような質感になったり、独特の色合いを生み出したりするもの。
その色や質感は、成分の調合や、窯の中の火の流れ温度変化によってまるで違った表情を見せます。

ほんの少しの違いで、まったく別の結果になる。
それが、とても面白かった。

もともと絵画を学んでいた私にとって、この「化学反応で変化する表現世界」は衝撃的で、とても興味深いものでした。

アート×ビジネスも、私にとっての“実験”

そう考えると、今のアートとビジネスの活動も、私にとっては「調合」なのだと思います。

アートという感性と、ビジネスという現実をどう組み合わせるか。
どの配合が一番自分らしく、社会と繋がり、継続可能な形になるのか。

何度も配合して、試して、うまくいかなくて、また調合し直す。
そうやって私は今も、「自分にしか出せない色」を探しているのかもしれません。


ふと湧いた疑問

会社を立ち上げてからは、アートイベントの企画・運営を中心に活動してきました。
作品展示だけでなく、ワークショップや体験型の企画など、さまざまな形で「アートを社会に届ける」試みを続けていました。

そんな中、ふと疑問が湧きました。

「もしかして、アート以外のイベントの方が稼げるんじゃない?」

ちょうどその頃、世の中では“サウナブーム”が到来していました。
周りからもこんな声がたくさん聞こえてきました。

「アートよりサウナの方がニーズがある」
「今は絶対サウナでしょ、稼ぐならそっちだよ」

実は、私自身もテントサウナが趣味だったので、
「それなら実験してみよう」と、サウナイベントを始めてみたんです。

つまり今回は、“周りの意見を聞いてみる”という実験でした。

実験の結果:アートイベントの方が稼げている

サウナイベントを何度か開催してみて、分かったことがあります。

正直、アートイベントの方が稼げている。

もちろん、サウナイベントも人が集まるし、話題性もある。
でも、私のアートイベントの方が、実際には安定して収益を生み出していました。

この結果から、あらためて実感しました。

「人の意見って、ほんとうに当てにならない。」
「やってみないと分からないし、正解は自分で見つけるしかない。」

とはいえ、サウナイベントが「失敗だった」とは思っていません。

私にとってサウナは元々趣味ですし、
地方の過疎地域を盛り上げるためのツールとして、すごく可能性を感じています。

だから、収益化が目的じゃなくてもいい。
意味があるからやっている。それで十分です。


ブームと文化のちがいに気づいた

この一連の実験を通して、もう一つ大きな学びがありました。

それは、「ブームは終わるけど、文化は残る」ということ。

ブームを追えば一時的に稼げるかもしれない。
でも、長く続けていきたいなら、「文化」として育てることが必要なんだと気づいたんです。

アートはブームではありません。文化です。
だからこそ、アートをブームにしてはいけない。

流行に流されず、文化を育てていくこと。
それが、これからの時代に必要なアクションなのではないでしょうか。

「やってみないと分からない」
「人の意見より、自分の意思で動くこと」

それを、私は身をもって実験してきました。

陶芸の釉薬も、今のアートとビジネスも、すべては「調合」です。
少しずつ成分を変えて、自分だけの色を見つけていく。
そのプロセスこそが、私にとっての創造であり、人生なのかもしれません。

これからも私は、「アートの可能性」を信じて、
実験しながら、自分だけの色を育てていきたいと思います。

自分の意思で動いていい!
それに 前例は自分が作る! それが、アーティストです。

 



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