アートとビジネスと、岡本太郎さん

大阪・関西万博が始まりましたね!

1970年の大阪万博で「太陽の塔」を生み出した、岡本太郎さん
きっとみなさんの中にも、「岡本太郎」の名前を聞いて 破天荒な芸術家 というイメージを持っている方が多いと思います。
でも実は、とても本質的で理論的な考えを持っていた人でもあるんです。

今日はそんな岡本太郎さんの言葉から、アーティストとしてビジネスに向き合うということについて、私なりの気づきをお話ししてみたいと思います。


「どうやってビジネスの勉強をしたんですか?」

私がよく聞かれる質問です。

でも、お金も時間も全くない子育て中の陶芸家だった私は、どこかの起業スクールに通ったわけでも、専門のコンサルについて学んだわけでもありません。
私は、アーティストとして活動していく中で、必要に迫られて・・・・というより「ちゃんと届けたい」という想いから、実践の中でビジネスを学びはじめました。

そんな私が、ちゃんとビジネスを考えよう!!!と思ったきっかけのひとつが、
岡本太郎さんの著書『自分の中に毒を持て』を読んでみたことでした。

確か、初めて読んだのは2011年くらいかな? 末っ子を出産した頃だったと思います。

岡本太郎さんって、「爆発だ!」のイメージもあって、破天荒で直感的な芸術家っていう印象が強いかもしれません。
でも実は、理論的に語る人でもあります。

『自分の中に毒を持て』の中の、こんな一節

「いま、この世界で必要なことは、芸術・政治・経済の三権分立である。
モンテスキューの唱えた古典的な司法・立法・行政の相互不可侵というような技術的システムではなく、まったく新しい三つのオートノミーを確立すべきだ。
政治・経済は人間にとって勿論欠くことの出来ないシステムである。
というより生活自体なのだ。
しかしおかしなことは、日常、ぼくらにとって「政治」「経済」と聞くと、何かひどくよそよそしい。
多分、これらの機構がいわゆる政治家、経済人によって勝手にコントロールされ、「芸術」つまり「人間」が抜け落ちてしまっているからだろう。」

これを読んだとき、「あ、なるほどな」って、腑に落ちたんです。

岡本太郎さんの『自分の中に毒を持て』で述べられている「芸術・政治・経済の三権分立」という考え方

岡本太郎さんが言う「芸術」は、単なる絵や造形だけではなく、
「人間らしさ」や「創造性」そのもののこと。
政治や経済に飲み込まれがちなこの社会の中で、「芸術」が軽んじられずに存在し続けるためには、
それぞれが対等なとして自立しなくちゃいけない。そんなふうに感じました。


「アーティストがビジネスなんて…」

正直に言うと、「アーティストがビジネスに手を出すなんて」「芸術家に経営を教えるなんてけしからん」
そんなふうに、言われたことが沢山あります。

アートって、純粋であってほしいもの。 お金や仕組みの話を持ち込むと、何かが汚れてしまう気がする。
私自身も、20代のひたすら作品と向き合っていた頃は、そう思っていた時期もありました。

だけど、あるとき思ったんです。
「純粋なままでいたいからこそ、ちゃんと届け方を考えなきゃいけないんじゃないか」

想いを込めてつくった表現を、ちゃんと社会に届けていくためには、
知っておくべきことや、身につけておくべき「仕組み」もある。
それは、芸術を汚すことじゃなく、自分の作品や信念を、守る力になると思っています。


ビジネスは、自分の表現を守るための言語

今の私は、現代アーティストであり、経営者としても活動しています。
それは、ビジネスの世界に染まっていくことではなく、
アートを社会に根づかせるための「もうひとつの表現手段」を手に入れたような感覚です。

ビジネスを知っているからこそ、作品がより自由に、より遠くまで届く。
だから私は、アーティストにこそ、経営の視点やビジネスの知識が必要だと思っています。

そしてその考えの背中を押してくれたきっかけが、岡本太郎さんの言葉でした。

岡本太郎さんの『自分の中に毒を持て』は、
芸術の道にいる人だけでなく、「自分の人生を自分で選びたい」と願う人におすすめしたい一冊です。

どこか迷ったとき、立ち止まりそうなとき、
「自分の中にある“毒”こそ、あなたを生かすものなんだよ」と語りかけてくれるような本です。
まだ読んだことないよって方は、是非「こんな考え方もあるんだな」って参考に読んでみてくださいね。

私はこの“毒”をきっかけに、おっぱい展を生み出しましたし、
不要になったプラジャーを回収して現代アート作品を制作するようになりました。

アートとビジネスは、対立するものじゃなくて、支え合える関係だと思っています。

これからも、自分なりのやり方でアートと社会をつなぎながら、
「生き方そのものが表現だ」と胸を張って言えるように、進んでいこうと思います。

アートとビジネスの間で
同じように悩んでいるアーティストさんや表現者の方に、少しでも届いたらうれしいです。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

 



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